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ステータスシンボルは健康です

NOBLE STATE NEWS 2017.03.28

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 最近あるラグジュアリーブランドのスタッフの方々に向けて、ここ10年の富裕層のライフスタイル動向をテーマにレクチャをしました。そのときに30代、40代のミレニアル世代のトレンドは、カジュアル化、ミニマル化、サスティナブル化が進んでいるとお話したのですが、Luxury Dailyでも同じような傾向にふれていたので、そんなお話をしたいと思います。

 それによるとラグジュアリー産業は健康産業と同様の成長カーブを描いており、いずれも2011年から2016年は1桁台の低めで推移しているが、この2020年まではラグジュアリー産業は年16%成長し4500億ドル、健康産業は17%成長し8330億ドルになると見られている。

 年収1500万円以上の裕福層の中では30代40代のミレニアル世代は、それ以上の50代以上に比較すると、健康な食やエクササイズによりお金を使う傾向がある。この世代こそが健康ブーム推進の原動力になっているといいます。

  ブランドも 「アクティブ」にシフト

 で、消費者がアクティブなライフスタイルを求めれば、ブランドはそのニーズに応えてスポーティなアパレルや雑貨を提供する。消費者はジムの中だけでなく、オフィスでもランチをするときでも、そういうファッションで通すようになる。

 いまやシャネルのロゴ入りスニーカーだって手に入るし、フェンディのスキーギアで雪山を滑降することもできる。ケイト・スペードはヨガウェアのビヨンド・ヨガとのコラボで、機能的で、ガーリー&ビンテージな味付けしたウェアを出している。

 高級通販のネット・ア・ポルテは、ネット・ア・スポルテをローンチ。スポーツ、ダンス、水泳、ランニングのウェアを販売する。レーン・クロフォードも「フィット・ルーム」をローンチし、エクササイズとフィットネスのためのウェアに参入。

 また、このNOBLE STATE NEWSでもご紹介したテクノジムのフィットネスマシンを購入し、自宅でフィットネスをするラグジュアリーな人たちもいるし、フィットネスのクラスに入ってヨガをしたり、サイクリングをする人もいる。

 つまりミレニアル世代の生活はエクササイズであふれている。

 そんな「アスレチック・ラグジュアリー」全盛の昨今、ナイキはニューヨークのソーホー地区に、ラグジュアリーな女性に向けて、エクスクルーシブ感満載、インビテーションオンリーのフィットネス「NIKE45」をつくった。

  機能×ファッションの 領域が熱い

 カジュアルとスポーツの両方で着れると定義され、アメリカを発祥とするアスレジャー。このトレンドは近年新興市場でも広がりを見せつつある。グローバルでスポーツウェアの成長率は6.5%だがインド市場では22%だ。

 アクティブウェアを購入する人は機能的な特質、たとえば吸汗性やストレッチ機能を求める。ブランドはそれに対して多目的なデザイン、たとえばスニーカーとドレスシューズのハイブリッド融合などで応える。クリスチャン・ルブタンも、あのベルルッティでさえも、いまやスニーカーを出している。もちろんルブタンもベルルッティも、そこにはそれぞれのユーモアとクラフツマンシップが載せられていて、時代にしっかりと寄り添っている。

 つまり、健康がラグジュアリーの中に入ってきたことで、従来のような見せびらかし型の消費は影を潜め、「健康が新しい富のかたち」になったという。

 まさにその通り。いまやラグジュアリーな紳士たちは深夜のワインバーで、筋肉自慢の話に興じている。スポーツと健康とラグジュアリーは、渾然一体となって、切り離すことができないものになっているのです。

参照サイト:Luxury Daily

photo: gomainstream ”London Fashion Week Behind the Scenes with Aveda™ – Adidas by Stella McCartney SS14 LFW Pavilion Pitstop26″



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