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ドバイ・プラハ・ウィーン三都を巡る

OUR CEO BLOG 2015.11.09

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NOBLESTATE福富七海代表のCEO旅ブログ。今回は中東ドバイから中央の古都プラハ、ウィーンを巡る旅!

9月11日(金) ドバイ1日目

 羽田発エミレーツ航空でドバイへ。フライト時間10時間45分。
朝6時15分着。空港へはリムジンが迎えに来ている。
ホテルは砂漠の中のホテルをとっている。空港からは距離があるので、チェックインせず、そのまま市内観光へ向かう。

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【上:ブルジュ・ハリファの高みから眼下の高層ビル群を見る 中:ジュメイラ海岸にて。後ろの建物は7つ星の超高級ホテル「バージュ・アル・アラブ」 下:とにかく巨大なショッピングセンター】

 最初に訪れたのは、ドバイ一美しいと言われるジュメイラモスク。真っ白なモスクが青空に映えて美しい。モスクに入る前にお清めの場所があり、そこで、手、口、鼻を3回ずつ洗う。また、モスク内部では女性はヒジャブという布で髪を隠すのだが、持っていない人のために代用でスカーフを貸してくれる。モスク内で係りの女性が英語で説明してくれるのを聞く。途中でお祈りの実演もある。

 モスクを出てリムジンで、ブルジュ・ハリファへ。世界一高い建築物。尖塔の頂上までが828mあり、ここまで大きいと、何か人智を超えた威容を感じる。この建物は2004年から5年間かけて作られたというが、5年でこれができるとは。

 それからブルジュ・ハリファと地下でつながっているモール・オブ・ジ・エミレーツ。こちらも世界最大のモールだ。ドバイという場所はイスラム世界で資本主義を極限まで追求したらこうなるというショーケースのようだ。アメリカやアジアの高層・広大化志向とはまた違う何かがそこにはある。その巨大モールにある水族館もまた世界最大の水槽を有する。

 すべてがギネスサイズのドバイだが、巨大なビル群ができ、外国人が集まるようになったのは1960年代になって石油が採掘されるようになってからだという。それまでは真珠漁の漁民と真珠商人が暮らす静かな町だった。

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【アル・マハ・デザート・リゾートのロビーにて。ベドウィンの暮らしをテーマにシックなインテリアになっている】

 アブラという渡し船に乗りながらドバイクリークを渡り、向かったドバイ・オールド・スークは、そんな古き良き時代のドバイを感じる場所だ。布地を売る店が多く、テキスタイルスークとも呼ばれている。

 スークを出て、ホテルへ向かう。ホテルは砂漠の中にある、アル・マハ・デザート・リゾート。部屋はベドウィン・スイートという、「遊牧民スイート」。ベドウィンテントになっている。テントとはいっても、もちろん普通のテントとは違って頑丈なつくりである。

9月12日(土) ドバイ2日目

 朝からデザート・サファリツアーへ。砂漠を4WDで駆け抜けるのだが、アップダウンが激しいので、揺れがすごい。しかし、どこまでも続く砂漠の景色は圧倒的だ。

 それから朝食をとり、アーチェリーを楽しむ。午後はプールでひと泳ぎしてからラクダ乗り。ラクダは乗ってみて、初めてこんなに大きな生き物なのか、と驚くほどだ。こちらが背中に乗ってラクダがすっと立ち上がると、すごい高さになる。ラクダの背から眺める砂漠の景色は、また格別のごちそうである。

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【上:サファリドライブに出かけるところ 中:スイートのデッキにあるプールで。砂漠を眺めながらプールに浸かるのも乙なもの 下:ラクダ乗り場で。やはり砂漠にはラクダが似合うのだ】

9月13日(日) プラハ1日目

 ホテルでルームサービスの朝食をとり、リムジンでドバイ空港へ。エミレーツ航空でプラハ。フライト時間は6時間20分。フォーシーズンズ・プラハにチェックイン。

 国立美術館ヴェレトゥルジュニー宮殿でミュシャの「スラブ叙事詩」をみる。アールヌーボーの巨匠で、グラフィックデザイナーのアルフォンソ・ミュシャが晩年18年をかけて完成させた20作の大作だ。国立美術館には今年いっぱいの展示だということだった。これは必見。日本にも2017年にくるらしい。

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【ミュシャのミュージアムは人気のスポット。プラハに来たらぜひ寄ってみたいところ】

 夕食はホテルにはいっているミシュラン一つ星のイタリアン『アレグロ』で。それから国立マリオネット劇場で人形劇『ドン・ジョバンニ』を観る。『ドン・ジョバンニ』はプラハの劇場がモーツァルトに制作を依頼したというプラハ所縁のオペラ。精巧に作られた人形はとてもリアルで、ぐいぐいとストーリーに引き込まれていく。

9月14日(月) プラハ2日目

 ホテルで朝食後プラハ城へ。プラハ城は世界最古で、最大の城だ。ゴシック様式の聖ビート大聖堂を中心に修道院、宮殿、尖塔など様々な建造物が、それぞれの時代様式で建てられていて、9世紀から始まった1000年間の建築の歴史がうかがえる。

 聖ビート大聖堂の内部へ。ステンドグラスの装飾が素晴らしい。中にミュシャの作になるものもあった。ステンドグラスを通して差し込む光は、聖堂の中にさまざまな色を落とし、これが神聖な空気をつくっている。

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【フォーシーズンズ・プラハのリビングで。プラハ城からブルタバ川を挟んで対岸、旧市街の便利な場所にある】

 プラハ城からカレル橋へ。カレル橋はプラハの中央を流れるブルタバ川に架かる橋で600年前の堂々たる建造物。露店、大道芸人、ミュージシャン、観光客でにぎわう橋。ヨーロッパはこのように橋の上が、商売やエンターテインメントの舞台になるところがいい。日本のいい橋は埋め立てられたり、上を高速道路が走っていたり。もっと橋と川を街に生かした方がいい。

 さてカレル橋からまたプラハ城側へと歩いて戻り、カフカ博物館へ。カフカの生い立ちから家族、その生活、当時のプラハの街並みなどが展示されている。中にカフカの代表作『城』を題材にした映像を上演するコーナーがあった。

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【部屋の窓からプラハ城が見える。この街にいると、いつも「城」が意識の中に入ってくるようでカフカになった気分】

『城』とは言うまでもなくプラハ城だ。プラハの街を歩いていると、どこにいても高台にそびえるプラハ城の尖塔が視界に入る。カフカの視界にもこんなふうに『城』が入り込み、その意識に深く入り込んで、作品が生まれたのだろう。

 その後、旧市街広場で昼食をとり、天文時計のある時計塔へ。複雑な機構の天文時計であり、またキリストの十二使途の像が9時から12時の毎時現れるからくり時計でもある。どちらかというと、このからくり人形の方を楽しみに来る人が多いようだが。

 カレル橋のたもとからブルタバ川クルーズに乗る。ゆったりと時間をかけて水上を滑ってい行く。川の上から眺めるプラハの街も、また格別だ。

 カウニツキー宮殿の中にあるミュシャ美術館。ミュシャはもともとパリで挿絵画家の修行中、女優のサラ・ベルナールから発注された『ジスモンダ』のためのポスターで一躍有名となった。活躍の舞台がパリになったため、チェコ読みのムハでなくミュシャと言われるようになったということだ。

 ここはこじんまりとした美術館で、ポスター画の原画、デッサン、油彩、パステルなどがみられる。ミュシャファン、アールヌーボーファンには、たまらない場所だろう。

 路面電車に乗ってホテル。夕食後ブラックライトシアターへ。プラハにはブラックライトシアターが数多くある。黒幕に暗い照明、ブラックライティングを使い蛍光色の衣装が幻想的だ。

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【プラハのもうひとつの楽しみがブラックライトシアター。街のいたるところにブラックライトシアターがあるが、ネットで演目をチェックしてから出かけてみたい】

9月15日(火) ザルツブルグへ移動

 ホテルで朝食後、リムジンでチェスキー・クルムロフへ。ここはチェコ南部の小さな都市ながらクルムロフ城ほか歴史的建築物が豊富。クルムロフ城はこの小さな街の中にあってひときわ目をひく巨大な建造物だ。いや、建造物というよりひとつの荘園である。かつてはここに従僕や職人が居住し、家畜が飼われ、畑があって、病院や薬局、鍛冶場もあった。領主の生活のすべてがこの中で完結していた場所だ。

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【シュロスフシュル リゾート&スパは静かな、ゆったりとしたリゾート。ゴルフ、スキーを楽しむ人には最高の場所】

 高台にそびえたつ城からチェスキー・クルムロフの街を見渡す。ここでもプラハ城のときと同じくと同じく<支配者=高台、被支配者=市街>の構図。面白かったのは城の堀で熊を飼っていて、これは16世紀からずっとそうらしい。

 広大な城を後にしてザルツブルグへ。シュロスフシュル リゾート&スパにチェックイン。ここはシュロフ湖畔にたたずむゆったりとした滞在型リゾートホテルで、ゴルフコースが隣にあり、スキー場も近い。

9月16日(水) ザルツブルグ1日目

  ウィーンへ移動するため荷物をまとめ、朝食後ホテルをチェックアウト。夕方まで観光。映画『サウンド・オブ・ミュージック』でジュリー・アンドリュース演じるマリアが過ごしたノンベルク修道院へ。ここは修道院の内部は見学できないが教会は見ることができる。そして同じく『サウンド・オブ・ミュージック』でマリアがドレミの歌を歌うシーンの舞台、ミラベル宮殿。

 それからモーツァルトの生家。モーツァルトが子供の頃、使っていたバイオリンやピアノ、一族の肖像画や書簡などが展示されている。ここはザルツブルグ一の人気スポットで、印象的なパステルイエローの建物の前には記念写真をとるツアー客で人だかりができている。

 その後リムジンで空港へ。オーストリア航空でウィーン。そのままホテルにチェックイン。ホテルはザ・リッツ・カールトン ウィーン。

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【上:ザ・リッツ・カールトン ウィーンのルーフトップ・レストランで。中:こちらは同じリッツのプール 下:ザッハトルテで有名なザッハーのショーケース】

9月17日(木) ウィーン1日目

  ホテルで朝食後、シュテファン寺院へ。シュテファン寺院は13世紀に建造されたウィーン最大のゴシック建築物だ。大聖堂には南塔、北塔ふたつの塔が付属していて南塔は高さ148メートル、北塔が68メートル。ところが低い方の北塔にはエレベータがあるのに高い方の南塔にエレベータがない。とはいえせっかくなので、南塔をのぼってみることにした。塔の上からはウィーン市街が一望できる。

 ドバイのブルジュ・ハリファ、チェコのプラハ城、クルムロフ城、そしてここウィーンのシュテファン寺院。今回まわったこれら建造物に登ってみて、中世から現代にいたるまで、人間はいつの時代もひたすら高みを目指す「意思」を持ち続けてきたことがよくわかる。

 その後は、国立歌劇場のガイドツアーに参加。オペラハウスの歴史、舞台、ウィーンフィルのこと等。そして舞台裏、楽屋を見学して40分ほどで終了。

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【国立歌劇場のガイドツアーで。このツアーはウィーンの舞台芸術の裏側が観察できて、とても為になる。】

9月18日(金) ウィーン2日目

 ウィーン2日目は宮殿尽くし。ベルベデーレ、シェーンブルン、王宮を巡る。

 朝食後、リムジンでまずはベルベデーレ宮殿。広大な宮殿に素晴らしい庭園。庭園からはシュテファン寺院が見渡せる。宮殿内部は撮影禁止だが、クリムトの『接吻』をはじめ、オーストリア絵画をまとめて見ることができる。

 その後世界遺産のシェーンブルン宮殿と庭園。こちらも限りなく広大な宮殿。1400室以上の部屋がある。これまで見た城が天に向かって垂直に伸びているとすれば、これら宮殿は地を覆いつくすように水平に伸びている。

 ハプスブルク家の王宮だったホーフブルグ宮殿は、部屋数2500以上。敷地内に大統領公邸、乗馬学校、たくさんの博物館、図書館などがある。

 垂直に伸びる教会文化と水平に広がる宮廷文化、そのコントランスが頭に残る。

馬車の写真 w07 楽屋にて
【国立歌劇場の舞台を観に行く。行き帰りは馬車での送迎。これが優雅な気分にさせてくれる。舞台終了後には演者の皆さんと楽屋で記念撮影】

9月19日(土)

 最終日。この日は特に予定を入れず、ホテル付近を散歩、ショッピング。 午後8時リムジンで空港へ出発。

 22時40分発エミレーツ航空でドバイ。翌日ドバイで乗り継ぎ、羽田到着は翌20日の22時45分。

 イスラム世界でコスモポリタンな文化をつくり、独自の繁栄をするドバイと、中世ヨーロッパの雰囲気を今に残すプラハ、優雅な宮廷文化の跡が残るウィーン。それぞれ全く異なる構造をもつ都市を巡ったが、そこにはなにか共通の、無限に向けて拡大していく都市のエネルギーが、それぞれの流儀で存在するように思えた。
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